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訴訟大国アメリカの矛盾?企業による長期間保証の秘密

アメリカは訴訟大国である。アメリカ市場を知っている人であれば、そのような印象をもっていらっしゃるかもしれません。「ファストフードを食べ続けたら肥満になった。それを警告しなかった企業のせいだ!」などという訴えが通るような国なので、あながち間違いとも言えないのが現状です。

しかし、米国進出の際に訴訟ばかりを気にして、保証に関して保守的になりすぎてはいませんでしょうか。

今朝、ラジオから米国北西部における最大のマットレス販売店、Sleep Trainのマットレス100日保証、最低価格の保障の宣伝が流れていました。

マットレスは品番を販売店ごとに少しずつ変えていて、最低価格の保障は難しくないということを教わっていたので、その点は驚きではなかったのですが、100日保証は割と長いなぁという印象を受けました。(Sleep Train自体も面白いマーケティングを行っているので、機会があれば調べてみてください)f:id:PPMJ-staff:20160811060416j:plain

Sleep Trainだけではありません。アメリカ、特にシアトルのあるワシントン州および米国北西地域(PNW)の会社において、長期間保障や永久保証は物珍しものではないのです。REI(アウトドア用品店)、Nordstrom(百貨店)、今では日本でもおなじみのCostco(会員制スーパー)などがその有名な例となります。

訴訟大国=クレーマーが多い=長期保証は成り立たない。確かに、永年保障が成り立たなくなって、長期保証に切り替えた例もありますが、特にPNWの地域でこのシステムが成り立つのは客層(ターゲット)が比較的温厚な高所得層だからです。アメリカ人の中でもこれらの会社のターゲットとなっている人々は、無意味な返品をしてくることがあまりありません。しかも、返品できるという安心感からブランドロイヤリティも高まります。万が一何かあれば返品できるので、訴訟のリスクも低く、一石二鳥です。

日本企業でもアウトドアメーカーのSnow Peakが永年保障を行っています。アウトドアが好きで、高品質のものを長年使い続けるターゲットに向けた商品だからこそできるシステムなのでしょう。

貴社商品のターゲット層はどんな人たちですか?細かな損益の計算、客層の見直しが必要ではありますが、商品によってはこのような逆転の発想をした方が全体的に得をする、ということもあるのです。一度考えてみられてはいかがでしょうか。