想像してみてください。
海外営業の担当者の採用で以下のような履歴書が来たとします。
1. 前職は、シンガポールに5名の販売子会社を設立し、マレーシアに投資額2億円、100人規模の工場を設立した実行責任者。
2.前職は、シンガポールとマレーシアで現地営業して300万円の機械装置を年間3-4台売っていたセールスマン。
なんとなく1の方が有能に見えないでしょうか。
責任者とセールスマンという違いもあります。2では「会社は赤字だろう」とも思います。
ところがその判断が正しいとは限りません。
実際のところ、1は、(言葉は悪いですが)誰でもできるのです。
お金を持っていく側(投資側)だからです。
オフィスでも工場でも、「開設したい」といえば、現地または日系の不動産・弁護士・税理士、人材紹介会社などが寄ってきます。
知識がなくても言葉ができなくても問題ありません。こちらはお金を出すお客さんだからです。威張って仕事ができます。
ところが、2は、こちらはセールスマンです。売り込む側です。
現地の人は振り向いてもくれません。振り向いてくれても、すぐに扉は閉じられます。辛い仕事です。本当に有能でないと続かないのです。
1と2の履歴書、どちらが有能か、その判断は簡単ではありません。
(実際のところ、2の履歴書ぐらいの働きができる日本人はほとんどいません)