現代の「五輪書」を書きたかったそうです。
極意をつかむまでの5段階として遊、型、観、心、空、としているところが新しく納得感もあります。
以下、「遊」の章からの抜粋
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音楽家にバジル・クリッツァーさんという方がいる。留学先の音楽学校で、試験に なると緊張してしまい、専門のホルンをうまく演奏できないという悩みを抱えていた。
悩んだ挙句、カウンセラーの元に相談に行くと「もしかしてあなた、自分が音楽家に なれなかったら生きていけないと思ってない?」と聞いてきた。「そうです」と本人 が言うと「それよ。今からなんでもいいから音楽家になること以外のもう一つの目標 を見つけなさい」と言われたそうだ。
そうして別の目標を見つけると途端に試験で力 が抜け、合格することができた。
これしかないという感覚も、うまくいっていれば問題はない。だが、自分でも気づ かないうちに視野が狭くなりはまりこんでしまうなら問題だ。周りが見えなくなる時、 それに自分自身で気づくことは難しい。
それしか見えなくなっている時に、ふとこれがだめでもいいじゃないかと冷静になれる、もう一つの見方が必要なのだ。
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こういう話、好きなんですよね。 #熟達論 #為末大
