まぐまぐメルマガより抜粋 大澤 裕 | 在米14年&海外販路コンサルタント・大澤裕の『なぜか日本で報道されない海外の怖い報道』ポイント解説 - メルマガ (mag2.com)
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カマラ・ハリスは勝てるか?
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カマラ・ハリスが民主党の大統領候補の後継になりそうです。
これについて英エコノミスト7月25日「カマラ・ハリスは勝てるか?」に面白い記述がありました。
「トランプの強さは原則に根ざしていることにある」と言うのです。
まるでカマラ・ハリスには「原則」がないかのような表現です。
意外に思われるかもしれません。
しかし、トランプの政策には常識に基づいた原則があります。
(これは彼の人格とは別問題です)
今回の大統領選挙における選挙民の主な関心は、経済(インフレ)、不法移民、中絶権利です。
まずインフレは関心事ですが、どちらがなっても同じかもしれません。争点になりにくいのです。
中絶権利は、トランプは以前は中絶反対派でしたが、最近は「各州の判断に任せる」としています。トランプは妥協によってこの争点を無効化したのです。
最後に残るのが、このメルマガで何度も言っている不法移民問題です。
バイデン大統領就任前に米国にいる不法移民は1100万人と言われていました。
バイデン大統領になってから今年2月までに新たに増えた不法移民は、公式カウントされているだけで720万人です。任期終了までに、公式カウントされていない人も含めれば、軽く1100万人は越えるでしょう。
不法移民数が倍増するのです。総計で2000万人以上ですから半端な人数ではありません。
犯罪やギャングの温床にもなります。
トランプは「不法移民は許してはならない」と一貫しています。これが「原則」です。
対して、バイデン大統領はどうでしょう?
就任直後に国境の壁の建設中断を命令しました。
ところが、あまりにも不法移民が増えたため2023年に壁の建設再開を指示しました。
そして先月は「1週間の不法移民数が一定数を超えたら、それ以上の難民申請(つまり国内への一時釈放)は認めないで追いかえす」としました。
中途半端です。不法移民に対するスタンスがブレブレなのです。
そしてカマラ・ハリスはさらにブレブレです。
最初は、不法移民・難民の権利に非常に同情的に登場しました。
ところが不法移民が殺到して、国境問題の担当になっても、ひどい状況の現場を見に行くことすらしませんでした。
中南米の国に行って「アメリカに来ないでくれ」とも言いました。
「一体、国境をどうしたいのだ」という感じです。
問い詰めるべき米国マスコミは、トランプに利するのが嫌なので、できるだけ触れません。
問題はカマラ・ハリスだけではありません。
民主党は「反トランプ」でまとまっているだけで、重要課題である国境問題について党内がまとまっていないのです。
それが英エコミストの「トランプには原則がある。それが強みだ。」という言葉の意味なのです。
逆に言えば、民主党、そしてカマラ・ハリスには国境問題の原則がないのです。
選挙が近づくにつれて次第に明らかになります。
PS
記事には「カマラ・ハリスは党内の進歩派(Progressive)に引きずられてはならない。」という記述もありました。民主党には過度に左の議員グループがいるのです。それで「不法移民はダメだ」と強く宣言をして、この争点を無効化できないのです。それさえすれば、前回も前々回も楽にトランプに勝てたでしょう。