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報道されないシンガポールの外国干涉(防治)法案

最近、「国内の世論が外国から操られているのではないか」との懸念が増えてきています。
 
「朝日やTBSは反日メディアだ。中国や韓国の意向を受けている」。との批判はずいぶん前から保守派がしていました。
 
そんな中で、シンガポールで外国干涉(防治)法案(Foreign Interference bill)が議論を呼んでいます。
 
端的に言って、中国がシンガポールに向けて行う情報操作を阻止するものです。
 
以下、サウスチャイナモーニングポスト10月2日から抜粋です。
 
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・この法案は(中国の)「敵対的な情報キャンペーン」を防ぐものである。
 
・政府は「この法律案は、社会の偏向、治安の悪化、国内政治の操作、政治的主権の弱体化をもたらす秘密の活動を主な対象としている」と述べている。
 
・政府はインターネット時代において、高度に接続された都市国家は外国からの干渉に対して脆弱であると述べた。
 
・この法律により、政府がインターネット企業にユーザー情報の開示、コンテンツのブロックなどを指示することができるようになる。
 
・そして外国の活動家と協力していると思われる人々を標的にすることを可能にする。
 
・場合によっては、政府は理由を説明することなく、先制的にこれらの措置を取ることができる。
 
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つまり、中国が、シンガポールの国内の情報操作をすることによって、政治をコントロールし、治安の悪化、政治の弱体化などをもたらさないための法案だという事です。
 
しかしながら、当然に反対意見もあります。
 
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・野党議員は、「この法案がもし修正されずに可決されれば、言論の自由と政府の説明責任に大きな影響を与える可能性がある」と述べた。
 
・批判者は、政府への反対意見の封じ込めに使われるのではないかと懸念している。
 
シンガポール市民や地元の非政府組織(NGO)が行っている完全に合法的な共同活動を捕捉してしまう危険性がある。
 
・外国の主体との「協力」であっても、その外部主体のための行動や活動と解釈される可能性がある。
 
・ベテラン政治評論家は「わが国の法令集の中で最も強力な法律になる可能性を秘めている」と評した。
 
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こういった法案が必要だという派、危険だという派、どちらの意見ももっともと思います。
 
日本にも外患誘致罪(がいかんゆうちざい)というものがあります。
 
「外国と共謀し日本に対して武力行使を誘発する犯罪行為」を罰するもので死刑しか刑罰がありません。そして現在まで適用例はないそうです。
 
ただ、この外患誘致罪シンガポールの外国干涉(防治)法案とは相当に違うように見えます。
 
シンガポールのような法律を日本も導入すべきなのでしょうか?
 
私は、外国からの情報操作があるなら何らかの対抗法律が必要であるとは思います。ただその法律の運用が問題です。運用方針が明確で、単に政府の反対勢力に対する弾圧に使われないように歯止めがなければなりません。
 
むつかしい問題です。
 
ただ、現在の戦争が武力を使った分かりやすいものから、お互いの国への情報操作へ比重が移っていることは確かです。
 
そして、シンガポールのようにそれに対して現実的な対抗法案をとる動きがあることは日本人も認識しておいてよいでしょう。
 
(注:この法案名、まだ日本で報道されておらず、どのような翻訳名になるかわかりません。もし大手TV、新聞で全く報道されなければ、これもおかしな話です。)