グローバル人材のためのプチ情報

動画セミナー https://www.youtube.com/channel/UCG2Sk0sNd93gziuimhR1ryw

日本の報道

日本は根源的な問いかけを歓迎しない風潮があるように思います。

学校にしても組織にしても、決められた枠組みに疑問を持たずに従っている人の方が高い評価が得られる気がします。

そして根源的な問いかけはスルーされることが多々あります。

しかし今のように前提条件が激変している世界では、常に根源的な問いかけをすることが重要です。

でないと、的外れな議論や努力が続くからです。

今週の有料メルマガ「なぜか日本で報道されない海外の怖い報道」に取り上げた話もその例かなと思っています。

(以下、国際政治の話です)

======メルマガ抜粋=====

日本の報道

些細な問題について扇状的に報道して、本当に重要である問題に対しては全く報道されない、という事はしばしばあります。

現在であれば核シェアリングがそうです。

米国が韓国(または日本)に核の発射ボタンの権限までを渡す「核シェアリング」は現実の可能性としてあります。

なぜ今、核シェアリングが話題となっているのでしょうか?

それは北朝鮮のミサイルが米国本土まで届くと考えられるようになったからです。

かつては北朝鮮が韓国や日本を攻撃した場合、アメリカが報復してくれるという安心感がありました。

しかしながら、今はどうでしょう?

アメリカが韓国や日本に代わって北朝鮮に報復をした場合、北朝鮮は再報復として米国の本土に大陸弾道弾を打ちこむ能力があるのです。

米国が北朝鮮を攻撃することは、自国の数千万人が死ぬリスクを取る事と同じになったのです。

だからこそ、今、米国で核シェアリングが議論されているのです。

身もふたもない言い方をします。

「韓国や日本に核のボタンを渡して、いざ北朝鮮と事があれば、韓国か日本に核を打たせればよいではないか。それなら米国が報復されることもない」という考え方です。

当メルマガの2月5日号でとりあげたように韓国のユン大統領は1月に核武装の可能性について発言しています。

韓国は、こういった米国の考えと状況を理解しているのです。しかし日本は全く理解していないように見えます。

なんとなく「同盟があるから米国が守ってくれるだろう」ではダメで、その担保を持つことが必要なのですが、そんな議論はまったくありません。

ちなみに、ソ連が米国に届く大陸弾道弾を開発したときにNATOの国々は同じ疑問を持ちました。

米国は自国がソ連の核弾頭の標的にされるリスクをとっても欧州を守ってくれるのかという不安です。

米国はそんな不安をもつNATO諸国をなだめるべく戦術核を欧州に配備して核シェアリングをしました。

しかし、米国を信用せずに、自国で核を持つことを決断した国が二つあります。

英国とフランスです。

歴史的に強固な同盟関係をもつ英国もこの問題については米国を信用しなかったのです。

それが国際関係の現実です。日本人はその考え方を理解する必要があります。

さらなる興味がある方は米国の外交専門誌フォーリンアフェアーズの4月19日付の論文をお読みください。韓国の核武装について論じています。

「South Korea’s Nuclear Options, As Pyongyang’s Capabilities Advance, Seoul Needs More Than Reassurance From Washington By Jennifer Lind and Daryl G. Press April 19, 2023」