今、香港に報道の自由はあるか? (アグネス・チャウの釈放)
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香港の民主活動家、24歳のアグネス・チャウが昨日6月12日の朝に釈放されました。彼女は大勢の報道陣に取り囲まれたものの無言で車に乗り込んだとの事です。
ご存知の通り彼女は香港の象徴的存在です。美人で日本語もしゃべれます。彼女がこれからどのような発言をするのかは日本も世界も注目しています。
ここで疑問が生まれます。その香港、昨年6月に香港国家安全維持法(国安法)が施行されました。それが今現在、どれぐらい報道の自由を縛っているのでしょうか?
彼女が発言したとして、それを香港の新聞・TVは正しく取り上げるのでしょうか?
すでに香港に報道の自由がないとすれば、彼女が発言しても、少なくとも香港のマスコミがそれを取り上げる事はできません。そのあたり、実際どの程度の規制があるのでしょうか?
その報道の自由度を探るよい指標があります。
天安門事件です。
1989年6月4日に北京で天安門事件が起りました。以来、毎年この時期に関連報道がされるですが、それは今年の香港ではどのようにされたのでしょうか?
以下、香港の英字新聞、サウスチャイナモーニングポストの6月4日-10日の記事の小見出しです。
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・天安門事件の記念行事で香港が制限される中、海外の活動家が世界に忘れないよう呼びかけ
・中国で天安門事件に言及したと見られるショッピングアプリがブロックされる
・天安門事件の犠牲者を悼み、記憶の炎を絶やさないためにサンフランシスコに集まった群衆
・香港|「天安門だけではなく、2019年も」。6月4日の天安門事件の追悼式が禁止されたが、香港人たちは「打ちのめされたが、負けてはいない」と語る
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英字新聞という事もあるのでしょうが、特に遠慮せずに報道されています。
ここから類推すると、アグネスの発言も当面は正しく報道されるでしょう。
このサウスチャイナモーニングポスト紙が天安門事件という言葉を使わなくなったとき、またアグネスが発言したにも関わらず報道されなくなったとき、「香港から報道の自由がなくなった」と言えるでしょう。引き続き注目が必要です