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円安の功罪

【円安の功罪】

円安の功罪についてよく語られています。よくある論調は「円安は海外に売っている大企業には利益をもたらしたが、国内中心の中小企業には原材料高をもたらしており疲弊させている」というモノです。

この見方にそった事例を挙げることはいくらでもできるでしょう。中小企業をいじめて格差をうむ円安はケシカランということになります。しかしこの見方は正しいでしょうか? 

私は正しい問題の見方は「ここ20年ほどで中国・東南アジアの安価な労働力が世界市場に参入し始めたために同一の職業についている人の仕事は単価を下げざるをえなくなったこと」だと思っています。

しかしながら日本は同時期にデフレで逆に実質賃金が上昇(もしくは横ばい)だったのです。当然、多くの仕事は賃金が安い海外に流出しました。

この円安は「単価を安くしますからやはり仕事をください」というグローバル規模での修正と考えるべきです。

個別の企業が従業員の賃金を下げることは賃金の下方硬直性によって難しいですから、遅まきながら国として国民の賃金水準を下げ始めたのです。給料が下がるのは悲しいことですが仕事がなくなるよりはいいでしょう。

大局的な見方をせずにTVにしやすいミクロな不平に焦点をあてていると政策をあやまると思います(ちなみに日本としての円の適切な水準は、やりたい人に仕事がある、できるだけ円高の水準、と言えると思います。)

by 大澤