先日シアトルで行われたProductCamp Seattle 2016というイベントにおいて、消費者ニーズを調査する会社の面白い手法を学びましたので、少しだけ共有させて頂きます。
まず、着目したのは下記の商品開発の流れと新商品の失敗率の高さです。
Idea⇒Build⇒Product⇒Measure⇒Data⇒Learn
この、Buildの部分が最も費用が掛かるのに、なぜ最も大事なLearnが最終段階でしか行われないのか。出来るだけ早い段階で消費者の反応に関して学ぶことが出来ないだろうか、という提案です。
いやいや消費者アンケートを行ってから開発している、という企業様もいらっしゃるかもしれません。もちろん、消費者アンケートはとても重要になります。しかしアンケートでは高評価だったのに実際に販売してみても売れない。そんな経験はございませんか。
この提案では、事前の消費者のニーズを聞き出す段階での工夫が一般的なアンケートとは異なり、そのおかげで高い満足度の商品開発が成功しているそうです。その工夫が、とことん消費者のValue(価値)に着目するということです。
少人数でも詳しいインタビューによって、1対1でその消費者の根底にある価値観への理解を深めます。そうすることで、消費者にとって欠かせない項目、強調して売り出すべき文言などが明らかになるのです。
例えばApple社のMac book airは、USBポートを使用したい人や、パソコンでDVDを見たりCDをインポートしたい人たちには、不便で仕方のない商品です。しかし、学生などのオンライン上ですべてを保存、ストリーミングし、丸一日持ち歩くためには非常に優れた逸品となっており、そういった層に大ヒットしてベストセラー商品になっているのです。
What(どんな機能)が消費者にとってのBenefit(利点)になるのか、という考え方よりもさらに消費者意識の根底に着目し、Why(なぜ)その商品が消費者へのValue(価値)となるのかという点に着目すると、こだわり過ぎていた不要な商品機能などが見えてくるかもしれません。
P.S. ProductCampのようなイベントにシアトルで参加すると、やはりIT系の企業、ビジネスパーソンの多さが目立ちます。去年の内容から根本的な部分は変わらないのですが、デジタルツールなどの変化は著しく、デジタルマーケティング最先端都市の一つとしてのシアトルを体感することが出来ます。